リーグ展望~2015春
「下克上・四国」
4月3日に四国六大学野球も球春を迎える。2014年乱世の秋は、際どい戦いで潜り抜けた愛媛大が13季ぶりに栄冠を手にし、松大・四学の私学二強時代に大きな風穴を開けた。愛媛大・高知大の国立大が一位二位となり、四国六大学野球はまさしく下克上の時代に突入した。秋の覇者・愛媛大はこの春大きな戦力の入れ替わりもなく、戦力は安定しており、覇権争いの中心となるだろう。ただ、一歩届かなかった悔しさを忘れていない高知大、苦杯を嘗め捲土重来を期す松山大・四国学院、勢いを増してきた香川大、少数精鋭の鳴教と、各大学の実力は拮抗しつつあり、天国と地獄は紙一重のリーグ戦となるだろう。春の嵐を予感させる「下克上・四国」の戦いが開幕する。
愛媛大は、田中、宇野、吉田の安定の投手陣を軸に手堅いディフェンス、主将高橋を軸にワンチャンスをものにする勝負強い攻撃陣と、戦力が充実している。また昨秋終盤にはチーム全体で「勝つこと」の難しさも喜びも経験し、団結力も成熟してきている。投手陣が大きく調子を崩さない限りは、この春のリーグ戦は愛媛大が中心となる戦いとなるであろう。高知大は、投打ともに最後の最後まであきらめない脅威の粘りを見せつけ、タイブレークの全試合に勝利して、昨秋は2位となった。身上の粘りに加え、投の柴田、打の柴田が軸となる戦いとなるが、他大学からのマークが厳しくなる中、この二人に続く選手が現れるかどうかが、浮沈のカギとなる。松山大は、首位打者の下村らの野手陣の陣容は揃っており覇権を狙う体勢は整いつつある…