総括~2011秋
雨天・台風などの影響で代替日程が4カードにもなり、10月まで行われるという異例の秋季リーグ。この影響により順延された3カードが重なる最終週に風雲急を告げる展開となった。四学・松大・高大・愛大が可能性を残したまま突入した順延日程の中、勝ち点を落とすことのなかった四国学院大が愛媛大に連敗を喫し、リーグ土壇場で上位争いは混沌とした。その混戦の中、最後は地力に勝る四学大のみが勝ち残り、下馬評どおりの結果となり「決戦の秋」は幕を閉じた。
四学大は愛大戦で勝ち点を落としたものの各選手が期待通りの働きを最後まで示し続けた。特筆すべきは高野・竹田・馬詰を擁する投手陣である。チーム総失点はわずかに9点、一試合平均では1点を下回るという驚異的な働きであった。この投手陣を中心として堅実な守備陣と勝負強い打線陣がうまく噛み合い、終始試合の流れを失うことはなかった。
終盤追い上げた松山大は苦しいリーグが続く中、桑田のノーヒットノーランを含む五連続完封など投手陣が奮闘し勝ち点を拾い続け最終まで可能性を残した。が、天王山の四学戦で三試合で1得点しかできなかったことに象徴されるように得点力の弱さが最後まで続き、徳大戦・鳴教戦での取りこぼしが最後まで響いた。愛媛大は最後に投打ががっちりと噛み合い四学大の牙城を崩し、その存在を遺憾なく発揮した。インカレを制するなどチーム力の高さは定評があったもののリーグ序盤の高大戦・松大戦で躓いたことが悔やまれる。高知大は第一週で愛大から勝点をあげ波に乗るかと思われたが、四学投手陣に完全にその波を止められた形となった。後一本がでない打線の一方、ディフェンス力は健在であり、勝ち点3を確保した。鳴門教育大は教育実習などで投手陣の調整のままならない中での苦しい戦いとなった。その中で上位打者陣の活躍で接戦を展開し徳大戦で勝点を挙げ前回順位を確保した。徳島大は開幕こそ大敗を喫したが、リーグを戦う度に投手陣と守備陣の連携が形付けられてきた。松大戦・高大戦で後一歩まで追い詰めながら勝ちきれなかったことが悔やまれる。
2部もプレーオフとなる混戦の中、香川大が優勝。入替戦では第三戦までもつれる僅差の戦いを香川大が制し、一季で1部への復帰を果たすこととなった。
決戦の秋を制した四国学院大は10月29日に行われる神宮大会中四国代表決定戦に出場し、広島六大学、中国六大学の覇者と対戦する。社会人交流戦では新戦力を試すなどしたが、四国学院らしからぬ少し精彩を欠く試合運びであったことが気がかりではあるが、残り10日余りでしっかりと仕上げて挑むことになるだろう。