四国学院大学の6季連続20回目の優勝で幕を閉じた2012年の春季リーグ。僅差の逃げ切り勝利、逆転勝利と多彩な勝ち方でリーグを9連勝で一気に優勝を手繰り寄せ、他の追随を許さなかった。高野・竹田・馬詰の投手陣が下馬評通りの活躍、それを固める守備陣の堅実なプレーによる全くスキを見せないディフェンス、俊足、好打、豪打、それぞれの打者陣が特長を持ち、上位下位どこからでも得点が可能な打者陣の活躍、つけいるスキを見せない戦いぶりであった。
高知大はディフェンス陣が不安定さの残る中、打者陣の勝負強さを光りしぶとく勝ちを拾ってきた。リーグ前半はその粘りを発揮して勝ち越し波乱を予感させたが、第三週四学戦以降攻守歯車が狂いはじめ、充分な建て直しができなかった。松山大は粘り強さと全員野球で得点力不足を払拭する戦いぶりを示し、投手陣は松本が主軸となり存分に力を発揮したが、それに続く投手が台頭しきれず、苦しい台所事情となってしまった。総力戦が続くリーグで、高大戦の第三試合、四学との第一試合を勝ちきれなかったことが悔やまれる。愛媛大は巧打者が揃う攻撃陣はしっかりと機能したが、ディフェンスの不安定さが足を引っ張る形となり、チームとして波に乗り切れないままのリーグとなってしまった。香川大は開幕から9連敗と厳しいリーグであったが、投手陣を中心にリーグを経る毎に戦い方が確立されてきた、この投手陣が踏ん張り崖っぷちの最終戦を切り返し5位に滑り込んだ。鳴門教育は投手陣を中心にディフェンスが確立し、高知大、愛媛大から勝ち星を挙げるなど上位陣を十二分に苦しめる戦いを示したが、勝点を奪うまでに至らず悔いの残るリーグとなってしまった。
二部は徳島大が、高知工科大とのマッチレースも制し八連勝で制した。徳島大鳴門教育大の徳島勢対決となった入替戦は手に汗握る展開の中、鳴門教育大が芦原・村上の粘投で徳島大を振り切り一部残留を決めた。
6月から開幕する全日本選手権には、四国学院大学が出場する。四国学院の選手の多くは全日本や中四国の大舞台を経験している。またその中で悔しい思いもしてきている。今年の全日本ではリーグで示した力を存分に発揮し、リベンジを果たしてもらいたい。