リーグ終了~2012秋

 松山大学が怒涛の10連勝で復活を遂げた2012の秋季リーグ。リーグでの戦いを重ねるごとにチームの粘りと戦術の精度に磨きがかかってきた。劣勢の試合、乱打戦、投手戦、どのような展開となっても必ず勝利をものにするチーム力で他大学を圧倒した。調子が悪くとも粘り強く持ちこたえる投手陣。ピンチの場面でも堅実・確実なプレーで最小失点で切り抜ける守備陣。つなぎと粘り、まさしく"打線"で勝負する打撃陣。全ての場面で、この勝負強さが際立った戦いを展開した。この勝負強さは、選手個々の能力に頼るだけでなく、日々の練習で積み上げたチーム力を前面にした戦いを貫いたところから生まれている。入学以来苦渋を舐めてきたキャプテン田中を中心に全選手が目標を一つにしてまとまり、意識高く野球に取り組んだ成果であるだろう。
 連続の2位となった高知大。粘りを身上とする戦いはリーグ中盤以降に発揮され終盤は6連勝と波に乗り2位に滑り込んだ。ただ、リーグ前半は守備陣の不安定さが足を引っ張り、本来の戦いができなかった。打線が好調だっただけに松大戦で連敗したことが悔やまれる。3位となった愛媛大だが、リーグ前半に投手陣不足により不安定な戦いとなり星を落とすことで優勝戦線に加わることができなかったが、後半は本来の力を取り戻し四学キラーの本領を発揮した。七連覇を狙った王者四国学院大だが、雨には勝てなかった。第三週第2試合を雨で流してから大きく歯車が狂わせてしまった。高野・竹田の二枚看板が本調子でない中、馬詰が先発・中継とフル稼働し踏ん止まったが、本来の戦いに戻しきれず、5連勝後の6連敗と厳しいシーズンとなった。香川大は苦しい戦いが続いたが、愛大戦で1勝したことが大きなアドバンテージとなり、最下位争いから抜け出した。鳴門教育大は選手層が薄く苦しい台所事情での戦い中で守備陣が安定せずに常に劣勢の試合運びとなってしまい、連続の最下位となってしまった。
 二部は、徳島大と高知工科大のマッチレースとなり、リーグ戦の中では決着つかず、プレーオフに持ち込まれる激闘となった。プレーオフも第四試合にまで及ぶ接戦となったが、最後は徳島大が僅差で逃げ切った。が、Ⅰ部の六番目の椅子を争う入替戦は、鳴門教育大学が制し、一部に残留を決めた。徳島大はリーグ終了後からの不規則の厳しい日程を乗り切ってきたが、最後に力尽きてしまった。リーグ戦終盤は、台風の影響などで、前年秋季に続いての10月突入となり、対戦を残した大学や入替戦に進出した大学は、体調・モチベーションの維持に苦慮することとなった。
 覇者松山大はリーグ戦からは一ヶ月ほどのブランクがあるが、この後、新人戦・交流戦を挟み、神宮大会出場権を賭けた中四国代表決定戦(10月27日マスカットスタジアム)に挑む。リーグ戦で見せた勝負強さとチーム力を発揮できれば、四国地区大学野球連盟の悲願に手が届くだろう。