猛暑の反動をまともに受け、雨に悩まされ続けたリーグ戦。予想外に10月まで大きくずれ込むこととなった。リーグ戦の序盤、四学・松大の二強がともに歯車の噛み合わない試合が続き混戦が予感されたが、松山大はこの前半の混戦の中で、粘り強く"勝ちを拾い続ける"ことを繰り返す中、徐々に投打ともに勢いを取り戻し、一気に勝ち点5まで駆け上った。終わってみれば完全優勝での春の雪辱を晴らすこととなった。西岡が軸となった投手陣がリーグ戦を通じ、ムダな失点を防ぐ安定のピッチングで、ディフェンスでの中心であり続けたことが覇権奪還の原動力となった。このディフェンスの確立が、田中・政岡・妹尾らの巧打者を中心とする、一点を確実に積み上げる粘りの打線を呼び覚ますこととなった。
愛媛大は、初戦に四学を撃破するなど大きく躍進した。硬軟自在の打線、安定感のある投手陣、ともに呼び声通りの働きを示した。ただ、松大とのダービーマッチでの惜敗が唯一悔やまれる。四国学院は細田・児玉ら投手陣が試合を作りディフェンス面では期待通りであった。一方で、愛大との接戦を落としたように、打線が繋がりを欠く形となり、連覇の夢は費えることとなった。四位となった高知大は雨で多くの試合を流し投打に精細を欠くこととなった。本来の粘りを発揮しきれないままの苦しいリーグ戦となり、四位に沈んだ。最後の最後まで争った香川大と鳴門教育大は上位相手の試合でも接戦を演じるなど懸命の戦いを続けたが、あと一歩及ばず他の大学から勝利を挙げられず、連続の5位・6位となった。
2部では、徳島大学が高知工科大から連勝し逆転で優勝し、入替戦に進出した。その入替戦は第三試合までもつれる熱戦となったが、最後は1部の鳴門教育の意地と粘りが勝り、残留することとなった。
優勝の松山大学は、11月には中四国代表決定戦に臨む。連年の神宮出場に期待が掛かるが、中国地区・広島六大学の覇者は全国クラスの強豪であり簡単なことではないだろう。ただリーグ戦で見せた勝負強さを発揮し、僅差のゲームを展開できれば、その可能性は見えてくるだろう。健闘を祈ろう。