2014年秋季リーグ。チームの軸となる選手の代替わりした大学も多く、先の読めない乱世の様相でスタートし、国立大が一位、二位となる誰も予想しない結末となった。【乱世の秋】は記憶だけにとどまらず記録としても残ることとなった。
春季に覇権争いを演じた松山大・四国学院が苦しむ中、攻守にバランスの取れた愛媛大が順調に星を伸ばした。第一週の難敵・高知大戦を連勝で勢いつき、7連勝の独走となったが、高知大の猛追、四国学院・香川大の意地に遭い、最終戦まで縺れ、覇権争いは予想通りの【乱世】となった。瀬戸際の香大との第二試合でタイブレークをモノにした勢いで、最終戦は愛媛大らしさを示し、勝利を手繰り寄せ、13季ぶりに覇権を手にした。
田中、宇野、吉田の安定した投手陣を中心に手堅いディフェンス。ここ一番で爆発する打撃陣。この攻守の歯車は大きく狂うことなく、劣勢の試合もチーム全体でひっくり返すクレバーさを併せ持ち、成熟したチーム力で乱世を潜り抜けた。
連敗スタートの高知大はディフェンスの不安を粘りの打撃陣で盛り返し、後一歩のところまで愛媛大を追い詰めた。タイブレーク四連勝という運の強さも味方しての二位に滑り込んだ。松山大は高知大での連敗から調子が狂い、春の覇者の片りんをみせることができず、投手陣の軸が決まらないままの苦しいリーグ戦となった。香川大は愛大・高大とも互角の戦いを繰り広げ台風の目となった。勝点2を獲得し、春季に期待が持てるリーグ戦の内容となった。四国学院は投手陣が踏ん張りきれず、愛大から勝ち点を奪った第四週以外は勝ちパターンを確立できないままのリーグ戦となった。全員野球の鳴門教育大は常に接戦に持ち込むものの後一歩が足りない試合が続いたが、松山大から一勝をあげ全敗からは免れた。
Ⅱ部は高知工科大が八連勝で群を抜く強さを示し優勝となった。ただ、入替戦では、鳴門教育大の全員野球の粘りの前に自慢の打線が封じ込まれ、壁を破ることができなかった。
愛媛大は、10月25日に開催される中四国代表決定戦(坊っちゃんスタジアムでの開催予定)に四国代表として出場する。広島六大学代表、中国地区代表と全国レベルの高い壁が待ち受けており、劣勢が予想されるが、リーグ戦で見せたクレバーな戦いぶりを展開できれば、チャンスが訪れるだろう。