エース宇野を中心に百戦錬磨の投球術で窮地を凌ぎきったバッテリー陣、派手さはないものの玄人受けする穴のない堅実なディフェンス陣、後迫・杉内のチャンスメーカーとしての巧打、高橋・大西・西久保ら中軸のチームを背負う気概のこもった豪打、乗松・南らの下位打線は一転、力むことなく粘りに徹した打撃と、それぞれの役割をブレることなく完遂し、ワンチャンスをしっかりとものにするしたたかで勝負強い打撃陣、この攻守の歯車が大きく狂うことなく球春を駆け抜けた。その牙城を崩すべく、高知大、松山大が総力を上げて挑んだが、崩しきることができず、愛媛大のチームとしての完成度が際立ったシーズンとなった。
高知大は、粘り強い打撃で得点力は上がってきており、本来の粘りの野球は随所で見せつけ追いすがった。ただエース柴田の孤軍奮闘となったディフェンスでの脆さが勝負どころで出てしまい、追いきれない悔しさがのこることとなった。四国学院はリーグ前半投打の歯車がいまひとつ噛み合わず、勝負運に恵まれない試合が続きスタートダッシュに失敗した。ただリーグ戦を経るごとに投打ともに主軸となる選手が台頭し、四国学院らしさが戻ってきた。秋には期待できるリーグ後半の戦いぶりで他大学には脅威となるだろう。松山大は最後まで愛媛大を追い詰めたが、あと一歩及ばない戦いとなった。リーグ戦後半にはチームとしての形が整ってきただけに、高知大戦での敗戦が悔やまれる。香川大は常に好ゲームを展開しながら、もう一押しが足りず歯がゆい試合が続いた。リーグ後半には新戦力も加入し、上昇機運に乗ったが、前半での取りこぼしが響くこととなった。鳴門教育は、7季ぶりの勝ち点を挙げ、少数精鋭の醍醐味を見せつけたが、その勢いを持続することは出来ず一勝の差で最下位に沈んだ。
ポストシーズンとなる入替戦は、全勝でⅡ部を制し、満を持して挑んだ高知工科大学。二季連続の同カードは、意地で粘る鳴門教育を力で振り切った高知工科大が連勝で入替戦を制し、悲願のⅠ部昇格となった。鳴門教育は部員が少ない苦しい時代をチームワークで凌いできたのだが、力及ばずⅡ部降格となってしまった。
6月8日から開幕する全日本大学野球選手権には、リーグ戦を制した愛媛大学が出場する。全国26連盟の最下層に位置する四国地区大学野球連盟。今ここに【下克上の戦い】の場に挑む。数少ない国立大学として、注目が集まることとなり、首脳陣・スタッフ陣は気苦労も多くなることが予想されるが、リーグ戦で見せたチーム力、団結力を遺憾なく発揮し、堂々と全国の猛者に挑んでもらいたい。
今後の予定
◆松山大学愛媛大学硬式野球定期戦
5月31日(日) 12:30~ 坊っちゃんスタジアム
詳細はこちらから
◆全日本大学野球選手権 6月8日開幕
愛媛大学 6月9日
◆理事会・マネージャー会議
6月20日
◆四国インカレ
7月3日~5日 松山市
◆広島国際親善野球大会
7月3日~5日 広島県総合グランド野球場
四国六大学での選抜チームを編成予定