終わってみれば、愛媛大が勝ち点5の完全優勝となった2015春季リーグ。このリーグは他団体との兼ね合いで球場確保も苦しく、決戦を高知で2度開催するという前例を見ないシーズンとなった。愛媛大が取りこぼすことなく勝ち点を挙げていく状況で、高知大が総力を挙げて追いすがる展開となったリーグ後半。その中で第五週での愛大松大戦のカードはリーグを象徴する接戦のカードとなった。愛媛大が勝ちきれば優勝の決まるカードであったが、松山大が意地を見せ、死力を尽くし第三戦までもつれ込む接戦に持ち込まれた。首の差で愛媛大が勝ちきり、雨天順延のカード高大四学戦・愛大鳴教戦まで延びた戦いは、高知大が最後力尽き、四国学院に敗れることでリーグ覇権争いは終焉。苦しい戦いの連続でありながら最後まで粘りきった愛媛大が2014秋季からの連覇となった。エース宇野を中心とした堅実なディフェンス、各打者が役割をブレることなく完遂した勝負強い攻撃と、愛媛大の完成度の高さを示すリーグ戦となった。
2014秋を境に、松山大・四国学院大の私立二強の争いから、愛媛大・高知大の国立古豪の二大学が上位を占める展開となった四国六大学。言い換えればⅠ部リーグの六大学はそれぞれに特徴を伸ばし、大きな差がなくなってきたことがわかる。一つ歯車が狂えば簡単に優勝戦線から脱落する、波に乗れば一気にひのき舞台に駆け上がる群雄割拠のリーグとなってきた。
またⅠ部Ⅱ部の入替戦では、満を持して挑んだ高知工科大学が鳴門教育大学を破り初昇格となり、新しい時代の幕開けとなった。降格となったが、鳴門教育大学は単科大学であるがゆえに部員数も限られた中、常に少数精鋭での全員野球で戦いを挑み続け、2009年秋からⅠ部の座を守ってきた。六季連続で入替戦の窮地を凌いだ粘り強さは少数精鋭の戦いその真骨頂であったことは全大学が一目置くところである。この姿勢が続けば捲土重来するだろう。
リーグ戦制覇を経て、全国に挑んだ愛媛大。試合序盤は先制もして互角に渡り合う展開となり、期待もしたが、全国クラスの強豪(京都学園大学)にジリジリと追い詰められ、最後は押し切られる形で初戦敗退となった。勉学との両立が不文律である大学野球部で構成する四国六大学。愛媛大もその一員である。リーグ終了から全国大会までの期間も同様に、勉学、就職活動、教育実習と本来の大学生としての活動との両立が必要である。監督、幹部、選手、誰もその環境を嘆くことはなく果敢に挑んだが、技術・体力・集中力・・・全国とのいかんともしがたい地力の差があると認識させられた試合でもあった。一方でこの愛媛大学のチャレンジは、可能性はあるだろう!との若干の手応えと四国六大学に加盟する他チームに勇気を与えるものであっただろう。四国六大学はこれからもまだまだチャレンジャーとして挑み続けなければならない。
この春より、一部の試合会場では、インフォメーションデスクを設置して、パンフレットやグッズの販売や問い合わせ対応の体制を整えてきた。充分な対応とまではいかないが、学生野球として観客の皆様へのサービス提供の意識が芽生えてきた。グランドの中も、外も、これからレベルアップしていかなくてはならない。
春季リーグ戦星取表

最多勝・ベストナインに輝きリーグ優勝に貢献したエース宇野(愛媛大)












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