小雨の降る中初戦をむかえた令和2年度新人戦は、高知工科大学が初優勝を勝ち取った。
1位 高知工科大学
今季秋季リーグを優勝で終えた高工大はリーグ戦の主力メンバーの影に潜んでいた新戦力の活躍が目立ち、優勝を収めた。
投手陣は、リーグ戦でも出場機会の多かった島内(2年:高知)の巧みなリードに植田(1年:岡豊)、竹﨑(1年:高知南)などが応え、3試合で4失点と好成績を収めた。
打撃陣は、登島(2年:大島)、阿部(2年:今治西)など、リーグ戦では途中出場が多かった選手らに加え、髙田(1年:大手前高松)ら一年生が奮起し、高工大らしい隙のない攻撃を展開した。
今大会により台頭した新戦力は、今後レギュラー陣を脅かす存在になっていくであろう。
冬を超え、更なるチーム力の向上に期待が高まる大会となった。
2位 聖カタリナ大学
今季秋季リーグで二部優勝を飾った聖カ大。そのまま勢い良く今季新人戦で昨年以上の結果を残そうと意気込むが、惜しくも2年連続準優勝という結果に終わった。
投手陣は、藤井(2年:尾道商業)、古謝(2年:嘉手納)を中心に、田中翔(1年:聖カタリナ)、岡田(1年:伊予農業)など期待の新戦力に試合を託す継投策が目立った。高知大戦では、藤井が6回2失点、その後岡田と田中翔の好継投と、来シーズンでの活躍を期待するプレイが見受けられた。高工大戦では、樋口(1年:松山商業)がイニング数が少ない中で2奪三振の活躍を見せた。
打撃陣は、樋渡(2年:松山聖陵)、矢野(2年:今治東)、田中孝(1年:聖カタリナ)、池田悠(1年:聖カタリナ)を中心に、コツコツと点に繋げていく打線が目立った。中でも、田中孝は高知大戦で4打数2安打1打点の活躍を見せ、来シーズンへの期待が高まっている。
今季新人戦では、相手大学の棄権や辞退などで試合回数が他大学よりも少ない状況であったが、その中であっても、選手ひとりひとりが自分自身の成長と課題を見つけることが出来た。
まだまだ伸び代のある次世代たち。冬を越え、来シーズンを迎えた彼等の姿に期待したい。
3位 愛媛大学
新型コロナウイルスにより参加が危ぶまれた新人戦は四連覇がかかっていたが惜しくも準決勝で敗退となった。優勝は愛媛大が敗れた高工大、準優勝は聖カ大となり、新人戦は幕を閉じた。
投手陣はリーグ戦の登板経験のある選手が多く、黒羽(2年:磐田南)と菊池(1年:八幡浜)がゲームを作った。その後の投手陣も安定した継投を見せた。
打撃陣は秋季リーグ戦終盤にスタメンを勝ち取った神谷(2年:大門)が7打数4安打、同じく外野手の田原(2年:広島国泰寺)が勝負強さを見せ4打点の活躍を見せた。
この大会でチームの課題が明確になった。この冬で課題を克服し春季リーグに繋がることを祈りたい。
高知大学
今季リーグ3位になった高知大は、投手陣・打者陣ともに来季に向け主軸候補発掘を目指した。
投手陣は、新高専戦の先発である向吉(1年:宮崎南)が5回無失点で抑え、試合に大きく貢献した。来季にむけて、安定かつ鋭い投球を主力・リリーフ陣ともに育成することが課題になる。打者陣は、新高専戦で3安打放った久保(1年:高知商業)や聖カ大戦で2塁打を放った實盛(1年:岡山城東)がそれぞれの試合の流れを変えるキーマンとなった。また、俊足を持つ石田(1年:富岡西)の守備により相手の攻撃を阻止することができた。
決勝に進出することはできなかったが、それぞれ課題を洗い出す試合であったため、来季の勝利に向けて新戦力の高知大への期待が高まる。
松山大学
去年の新人戦、今季の秋季リーグ戦ともに成績が振るわなかった松山大は来春のリーグ戦に向け1年生のみのチーム編成で新人戦に臨んだ。鳴教大戦では7回コールド勝ちで勝利を掴むも、愛媛大との試合は4対3で惜しくも敗れた。
投手陣では、茶山(1年:大社)渡部(1年:三刀屋)、鈴木(1年:高瀬)の3人の投手が登板した。鳴教大で先発した茶山は5回1失点、そのマウンドを引き継いだ渡部は2回を完璧に抑えた。
愛媛大戦を1人で投げきった鈴木は雨や味方の守備の乱れなどで制球に苦しみ、敗戦投手になったものの要所を締める投球を見せた。
打撃陣では秋季リーグでの活躍が記憶に新しい内山(1年:香川西)や瞬足巧打の朝比奈(1年:松山工業)、広い守備範囲に追い込まれながらもヒットコースに打球に運ぶ粘り強い打撃が持ち味の武田(1年:済美)など数多くの選手たちが目覚ましい活躍を見せた。
1年生ならではの明るさを見せた選手たちに今後も目が離せない。
来春のリーグ戦では、2014年春以来の優勝へ。オフシーズンを乗り越え成長した彼等の姿を期待したい。
香川大学
秋季リーグで聖カ大との接戦に敗れ、2部2位となった香川大は今大会で一勝も出来ないという悔しい結果となった。
投手陣では、愛媛大戦で岡谷(2年:創志学園)が4回1失点と5回までに6点を獲得した愛媛大の勢いを止める粘り強いピッチングを見せた。
打撃陣では、秋季リーグ出場経験のある井上(1年:新居浜南)は4打席四球と、持ち前の粘りと選球眼を見せつけた。また、交流戦では三宅亮(1年:倉敷天城)が5打数3安打3打点と勝負強さを見せ、青木(2年:大東)と稲谷(2年:津山)が好走塁でチームに大きく貢献した。
今大会で見つかった課題をこの冬で克服し、来季での1部昇格に期待したい。
鳴門教育大学
秋季リーグでは3位に終わり次リーグへ向けてチームの底上げが課題となった鳴教大は1回戦コールド負けという悔しい結果となった。
投手陣ではリーグ戦で2部の最優秀防御率を獲得した高橋(2年:大垣東)と川村(2年:川島)が苦しみながらも試合を作ったが、まだまだポテンシャルは高いので今冬に体づくりを中心としたトレーニングを行い、次リーグでの成長が楽しみである。
打線ではリーグ戦でも得点力が課題となり、いかにして打線を繋ぎ得点していくかが鍵となる。
新人戦では濱田(1年:宮津)や岡辺(1年:北須磨)が勝負強さを見せた。また守備面では山田(1年:春日井)が好プレーを見せるなど来季に期待のかかる選手が出てきたとこから今冬にリーグ戦、新人戦での課題を少しでも克服し、来季1部昇格に期待したい。
香川高等専門学校
3年生にとっては初めての大会となった新人戦では思うようなプレーを出来ず、悔いの残る結果となった。少ない人数なので個々の能力を上げられるよう、次の大会に向けて日々の練習を大切にしていきたい。
新人戦では主に中盤での崩れが目立った。守備面では最高学年である谷澤、石坂を中心にしっかりと守り抜き、試合のリズムを作っていきたい。また、打撃面では上位から下位まで切れ目のない打線にすることを目標とする。
5年生が大学野球をできるのはあと僅か。最後まで上を目指してプレーしていきたい。
新居浜工業高等専門学校
秋季リーグでは思うような結果が出なかった新居浜高専は、少人数で限られた練習時間の中で新人戦に向けて今季リーグの反省点を踏まえながら練習を重ねてきた。
残念ながら一回戦敗退となったが、確かな手応えも感じることのできた試合だった。
守備面においては、中岡、加藤、高橋(4年)の継投で流れを作り、打撃面においては、コンスタントな打撃で得点を狙っていくことができた。
5年生は今大会で大学野球は最後となるが、下級生は大学野球の雰囲気を知ることができ、次の世代へとバトンを渡した。