2021新人戦 総括

新型コロナウイルスが落ち着いたなか行われた令和3年度新人戦は、四国学院大学が初優勝を勝ち取った。

1位 四国学院大学
2年ぶりの出場となった四学大の新人戦。合計44人で臨んだ新人戦は、優勝で幕を閉じた。
投手陣では、2回戦で先発をした川村(2年:折尾愛真)、準決勝先発の川井(1年:九産大九州)、そして、胴上げ投手の赤沢(1年:高知商業)の活躍が目立った。
打者陣では、通算打率.615の玉城(1年:KBC学園未来沖縄)を筆頭に、チャンスに強い中元(1年:宇部鴻城)、嘉數(2年:KBC学園未来沖縄)らで合計27得点を叩き出した。
最強世代の3年生達と、まだまだ戦力差はあるが、来春のリーグ戦で誰がベンチ入りするのか期待がかかる。

2位 高知工科大学
秋季リーグ戦を優勝した高工大は4年生の力が大きかった。その分来年からのチームに少し不安があった。準優勝だったこの新人戦では来春に向けてのアピールの機会となった。
投手陣は、リーグ戦での登板機会があった畠木(2年:倉敷商業)、竹﨑(2年:高知南)などを中心に試合を作り、攻撃では明治神宮大会中国・四国地区大会でメンバー入りしていた赤松(2年:阿波)、田中(2年:八幡浜)などが勝負強いバッティングをするなど2年生の活躍が目立った。
彼らの活躍が今後のリーグ戦の結果に直結するだろう。
ひと冬超えることで1年生の追い上げにも期待したい。

3位 松山大学
1年生19名で挑んだ新人戦は、準決勝で四学大に敗れたものの、思わぬ新戦力の発掘が見受けられた。
投手陣では相原(1年:今治西)の存在が大きかった。決して球威があるとは言えないものの、ストライクゾーンの四隅を丁寧に攻め、変化球で打たせて取る投球が光った。
野手陣では出来(1年:広)や重松(1年:松山聖陵)が活躍を見せた。出来は準決勝の四学大戦で猛打賞の活躍を見せ、主力選手達を脅かす存在となった。
重松はリーグ戦でも力を発揮した走力を武器に相手守備を掻き回した。
打撃力に磨きがかかれば、松山大不動の切り込み隊長になる事は間違いないだろう。
これからオフシーズンを迎え、各選手の成長に期待がかかる。
再び神宮を見据えて突き進む選手達から目が離せない。

同率3位 鳴門教育大学
昨年は悔しい結果に終わった鳴教大。本年は主力としてリーグ戦にも出場していた2年生を中心として挑んだ。投手は尾崎(1年:龍野)が先発で完封勝利という大きな経験を得ることができた。これまではランナーを背負うと制球が安定せずに崩れてしまうということも多くあった。今回ランナーを出しても最少失点で切り抜けるということができ、大きく崩れるということがなかった。打撃面では秋季リーグ戦でベストナインに選ばれた相田(2年:徳島城南)や1年生ながら代打で結果を残した井筒(1年:徳島城南)がチャンスメイクをし秋季リーグ戦から調子を上げている4番の野原魁人(2年:長崎北陽台)が還すという点の取り方を見つけることができた。一部のチームとも戦えたということは自信になる。春季リーグ戦では誰がレギュラーになってもおかしくない。その中で切磋琢磨して一部昇格を目指す。

高知大学
秋季リーグ戦で2部降格になったが、新人戦では1・2回生の新戦力が発掘できた高知大。
投手陣は、香川大戦で5回無失点に抑えた田中逸(1年:新居浜東)の活躍が目立った。打撃陣は、香川大戦で2塁打を2回放った久保(2年:高知商業)や球を確実に当てる浅野(1年:高梁)が高知大の好打線に大きく貢献した。
来春リーグ戦では、1部昇格を果たしたい高知大。ルーキー陣の活躍が下剋上達成の鍵になるだろう。

愛媛大学
昨年の新人戦では四連覇が途絶えてしまい、今年こそは優勝を目指していた愛媛大だったが二回戦敗退と悔しい結果になった。優勝は愛媛大が敗れた四学大、準優勝は昨年の優勝校である高工大となった。
投手陣では、8回無失点で試合を作った遠藤(2年:岡山城東)や、リリーフとして4回を投げ1人もランナーを出さない圧巻のピッチングを見せた竹内(1年:松山北)などが活躍した。野手陣では、二試合を通して3安打の活躍を見せた阿部(2年:立命館)やリードオフマンとして高い出塁率を残した銘苅(2年:興南)などの春季リーグ戦での活躍に期待がかかる。
悔しい敗戦の中でも選手の得たものは非常に大きい二試合となっただろう。この敗戦を糧に春季リーグ戦に向けて精進していってほしい。

聖カタリナ大学
主力メンバーを抜きに、1.2年生メインに挑んだ新人戦。これまで2年連続で準優勝と結果を残し、今年こそは優勝と意気込むものの、1.2年生たちに立ちはだかる壁は大きかった。
投手陣では、公式戦経験のある古謝(3年:嘉手納)が初完投。試合に負けはしたが、今後の自信に繋がる投球が出来ただろう。
野手陣では、役割をそつなく熟す高市(3年:上浮穴)や清家(2年:三瓶)、今後期待されている芝(1年:松山聖陵)など安定感のある選手の活躍が目立った。あまり活躍の目立たなかった選手たちも、新しい課題を見出すことが出来ただろう。
これまで、主力メンバーに頼りっきりだった聖カ大。今回の新人戦では、新体制をつくるための課題を見つけることが出来たのではないだろうか。聖カ大も来年からは4学年揃い、今冬を乗り越えてくる選手、公式戦経験豊富なベテラン選手、新勢力選手と、勢力は衰えることなく増していくだろう。“全力疾走“。聖カ大の躍進は止まらない。

香川大学
秋季リーグを全勝し1部リーグ昇格を成し遂げた香川大は、入替戦で激闘した高知大との1回戦に臨んだが、8対1で敗れるという悔しい結果に終わった。
投手陣では宮﨑(3年:高松第一)、岡谷(3年:創志学園)が登板した。高知大の打線に苦しみながらも、香川大得点後の回は打者を3人で抑えるなど、要所での強みもみえた。交流戦で好投した深谷(1年:倉敷天城)にも期待したい。
打撃陣では秋季リーグに続き、1年生の活躍が目立った。高知大戦では、四球で出塁した本多(1年:下関中等)を、森(1年:土佐)井上(2年:新居浜南)中久保(1年:武田)が打線をつなぎ、ホームに返した。今冬を越え、次リーグでのさらなる活躍が楽しみである。
1,2年生は初の1部リーグとなる来春リーグ戦。今大会で見つけた課題を克服し、成長していく新戦力に期待したい。

徳島大学
2年振りに新人戦に挑んだ徳島大。結果は一回戦で愛媛大に敗北した。投手陣は、鏡石(2年:洲本)中田(1年:洲本)の活躍で19奪三振を記録した。打撃陣では、秋季リーグ戦でベストナインにも選ばれた西谷(2年:高島)に加え岡田(2年:今治西)や高嶋(2年:岡山城東)が2塁打を放ちチームで合計9安打という好成績だった。しかしチャンスの場面では尽く打線を繋ぐことが出来ず得点には至らなかった。
来春リーグ戦の1部昇格に向けルーキー陣の成長に期待したい。

新居浜工業高等専門学校
実質、5年生の引退となる新人戦は部員全員で挑んだ。
残念ながら試合には敗れたが、次世代へと繋げることのできたいい試合だった。
初回、1番高橋(5年)がヒットで出塁すると、3番村上(5年)のセンター前で先制点を得た。
攻撃の流れを守備でもいかしていきたかったが、先発の高橋を松大打線が捉え、一気に5失点を喫した。
その後も加藤(5年)、清水(4年)、中岡(5年)の継投で挑むが、失点の流れを止めることは出来ず、5回コールドで試合は幕を閉じた。
新型コロナウィルスの影響で思うように試合ができないこともあったが、限られた人数の中、最後まで戦い抜いたことはこれからの大きな糧となるだろう。
4年生3人をはじめとする新チームには来季から是非とも頑張って欲しい。