2022年度春季リーグ戦 展望

―神宮の切符は誰の手に―春季リーグ戦展望

新型コロナウイルスが依然猛威を振るう中、感染対策を徹底しながら昨年も例年とは違う試合形式で頂点を争った四国地区六大学。昨春は松山大学、昨秋は高知工科大学が優勝したが、今季はどの大学が神宮の切符をつかむのか、注目が集まる。

 昨秋1位に輝いた高知工科大学は、キレの良い直球が武器の植田(3年:岡豊)、岡林(3年:高知追手前)の両投手が鍵を握る。昨季投手陣を支えた4年生が引退した今季は新戦力にも期待がかかる。野手陣は昨季大ブレイクした小柴(3年:西尾東)やシュアな打撃に定評のある天野(2年:広陵)が打線を引っ張る。また、昨季は不振に陥ったものの阿部(4年:今治西)の再起にも期待したい。

 昨季は2位に終わった四国学院大学は、エースとして君臨する本格派の山城(4年:中部商業)、粗さはあるものの目を見張る速球が持ち味の新垣(4年:KBC未来沖縄)を中心に継投で勝利を掴む。打撃陣は力強い打撃が持ち味の明石(4年:坂出商業)、底抜けの明るさでチームを引っ張る国仲(3年:中部商業)、唯一無二のバットコントロールを持った宇座(4年:宮古)が中心に繋ぐ野球で大量得点を狙う。

 昨季、3位には3大学が並んだ。松山大学は昨春ぶりの優勝を狙う。言わずと知れた、安定感抜群の菊池(4年:宇和島東)に、昨季最優秀防御率獲得の鈴木(3年:高瀬)が投手陣を引っ張る。野手では昨季は怪我で戦列を離れていた越智(2年:済美)に、走攻守全てにおいて高水準の大西(4年:大手前高松)、パンチ力が持ち味の内山(3年:高松西)と足を絡めつつチャンスを作りモノにする打線が特徴だ。

 愛媛大学はエース不在が若干の不安要素となっているが、永山(3年:畝傍)、多田(4年:槻の木)、菊池(3年:八幡浜)といった実力ある投手たちが並ぶ。打線には昨季絶好調だった渡邊(3年:祇園北)、ベストナインを獲得した拝志(4年:松山中央)、長打力が持ち味の小田(4年:岡山操山)といった強打者が揃う。

 聖カタリナ大学は1年から投手陣を支え、最終学年を迎えたサブマリン山崎(4年:小松)と制球力が持ち味の窪田(3年:大分商業)の2人が中心となって試合を組み立てる。打線は主将の手嶋(4年:小松)、強肩強打の堀内(3年:伊予農業)、俊足巧打の曽我部(3年:新居浜商業)など、特徴ある打者たちが並んでいる。

 今季から1部に昇格してきた香川大学は、快速右腕が持ち味の平岡(4年:津名)が中心に最小失点で試合を作る。試合数が増え、新戦力の活躍にも期待がかかる。野手陣は柳島(4年:宇和島東)、中久保(2年:武田)といったチャンスに強い打者が並び、全員が一丸となって勝利を掴む。

 2部でも熱い戦いが繰り広げられる。今季から2部に降格し、再び1部昇格を目指す高知大学、1部の経験がある鳴門教育大学、徳島大学を中心に混戦が予想される。新居浜高専、徳島大学医学部、香川高専はどこまで食らいつけるのかにも注目である。今年も四国地区大学野球から目が離せない。