2022年度春季リーグ戦 総括

新型コロナウイルス感染症の影響で高知工科大学の棄権があったものの、従来のリーグ戦へと戻ってきた春季リーグ戦となった。


圧倒的な強さを誇った松山大学は、全ての大学から勝ち点を奪い優勝を果たした。投手陣は、最多勝の菊池(4:宇和島東)や最優秀防御率の松田(2:高松商業)を中心に安定感のある投球を披露。全大学中、最小失点でリーグ戦を終えた。打者陣は、首位打者・最高出塁率の2冠に輝いた古森(4:小松)や最多打点の大西(4:大手前高松)などの好打者が躍動した。チーム得点数も71点と他大学を圧倒。昨秋シーズンの悔しさを晴らすシーズンとなった。


豊富な投手陣と厚みのある打線が特徴の四国学院大学は、惜しくも優勝は逃し2位という結果となった。守備では、最多勝の羽根(4:広陵)や伸びのあるストレートを投げ最多奪三振に輝いた川井(2:九産大九州)らを捕手の明石(4:坂出商業)が巧みにリードした。また、香川大学戦でグランドスラムを放ち打点王にも輝いた松本(4:明桜)やチーム最高打率の宇座(4:宮古)らが自慢の強力打線を引っ張った。


バランスが取れ総合力の高い愛媛大学は、勝ち点3を取り3位という結果となった。守備では、最多勝の遠藤(3:岡山城東)やストレートと変化球を織り交ぜ打者を翻弄する永山(3:畝傍)などの活躍が目立った。打撃では、最多安打に輝いた宮本(4:)やリードオフマンとしてチームを引っ張った笠井(3:尼崎小田)を中心に一体となって相手投手に襲いかかった。


1週で四国学院大学との死闘を制すなど、チームとしての強さを見せた聖カタリナ大学は4位でリーグ戦を終えた。巧みな投球術で試合を支配する山崎(4:小松)や防御率1点台と安定した投球を続けた窪田(3:大分商業)など、高い投手力はこのリーグ戦でも健在であった。また攻撃面では、最多盗塁の曽我部(3:新居浜商業)や共に最多打点の堀内(3:伊予農業)と中原(4:北条)の活躍によって、得点の流れを生み出すことに成功した。


昨季リーグ王者の高知工科大学は、新型コロナウイルス感染症の影響で第4週と第5週を棄権したものの、なんとか残留することに成功した。投手陣は、総合力が高く相手打線を圧倒する植田(3:岡豊)や空振りが取れる畠木(3:倉敷商業)らがチームに勢いをもたらした。打者陣は、走攻守の全てにおいてレベルが高い小柴(3:西尾東)や聖カタリナ大学戦でサヨナラ犠飛を放った主将島内(4:高知)らが高知工科大学打線に大きく貢献した。


昨秋の入れ替え戦で勝利し1部昇格を果たした香川大学は、健闘したものの6位という結果となった。守備では、最多勝と最多奪三振の2冠に輝いた平岡(4:津名)が鉄腕ぶりを発揮。チームを引っ張った。打撃では、2本のホームランを放ち打点王にも輝いた中久保(2:武田)やチーム最高打率の齋藤(2:今治西)らの活躍が香川大学の得点に繋がった。


2部リーグでは、昨秋に悔しい思いをした高知大学が優勝。徳島大学は最後まで優勝争いを演じたものの、あと少しのところで優勝には手が届かなかった。


従来の形に戻ってきた今季ではあったが、高知工科大学の棄権などのようにまだまだ新型コロナウイルス感染症の影響は大きい。早期の終息を願う。


今季は引退が迫った4年生、経験を積んだ3年生の活躍が目立ったシーズンであった。ここに2年生や1年生の新戦力が加わることで、さらにレベルの高い試合が秋季リーグで見られることを期待したい。


(報告者=香大 伊藤)