2022四国インカレ 総括

天候が心配される中、第73回四国地区大学総合体育大会【硬式野球】が2022624日から26日に徳島県鳴門市のオロナミンC球場で3年ぶりに開催された。今大会では、春季リーグ優勝の勢いそのままに圧倒的強さをみせた松山大学がインカレも制覇した。


1  松山大学

新チームで挑んだ四国インカレ。チーム全員で一丸となり優勝を掴み取った。

投手陣では、舩田(2:宇和島東)が淡々とゲームを作り、チームの勝利に貢献した。また、鈴木(3:高瀬)も復活の兆しが見える投球をし、今後の試合にも注目できる。

打者陣では、内山(3:高松西)が打線を引っ張りチームを盛り上げた。また、藤井(1:高松商業)が勝負強い打撃や長打にもとても目を張るものがあった。

もう秋リーグまで時間は少ない。この少ない中でのチームの仕上がりに期待がかかる。


2  鳴門教育大学

総力を尽くして四国インカレに挑んだ鳴教大。全員が自身の役割を全うし、戦うことができた大会となった。

投手陣は尾崎(2:龍野)や白石(1:洛北)9回まで投げ抜き、粘りの好投を見せ活躍した。右のセットアッパーである川村(4:川島)やサウスポーの星野(3:岡山芳泉)の好リリーフは秋季リーグにも期待がかかる。

野手陣では、打率5割超えで、主将としてチームを引っ張った相田(3:徳島城南)3打点と打撃の要となった野原(3:長崎北陽台)、好守備を見せる山田翔汰(3:春日井)などの3年生の活躍が目立った。

秋季リーグ戦では1部昇格を目指し、チーム一丸となって挑む。


3  聖カタリナ大学

1年生メインで挑んだ四国インカレ。準決勝で松山大に敗れたものの、1年生の力が存分に発揮された大会となった。

投手陣では、最速139キロを計測した右腕岩川(1:東温)が力投した。また、左腕門田(1:西条)、緩急のある投球をした今井(1:西条)にも、今後の活躍に期待。

野手陣では、打率7割超えで、捕手として投手をリードした福島(3:小松)、4盗塁で相手守備を掻き乱した尾崎(1:聖カタリナ学園)、3打点でチームに貢献した田井野(1:伊予農業)など、1年生の活躍が目立った。

秋季リーグ戦では、チーム一丸となって優勝を狙う。


同率3  徳島大学

全部員が初出場となった今年の四国インカレ。春リーグを戦った主力陣で挑むものの、反省点の多い結果となった。

春リーグで最優秀防御率とベストナインを獲得したエース大杉(2:姫路南)の好投により81失点に抑えた。また中田(2:洲本)も持ち味の鋭いストレートが光り鳴教大打線を圧倒した。

一方で打撃陣は、髙嶋(3:岡山城東)や渕野(3:東海大附属大阪仰星)の長打でチャンスを作るも本塁で刺される場面が何度かあり、その後の得点には繋げられなかった。終始流れを掴めずに攻めきれない惜しい結果となった。

今後は秋リーグに向けて打撃の底上げが課題である。また新戦力1年生の活躍にも期待したい。


香川大学

今大会で1勝をあげた香川大は、高工大戦で1失点完投を果たした深谷(2年:倉敷天城)、2人の投手を上手くリードした伊藤(2年:土佐)がチームを引っ張った。松山大戦で力投を見せた滝井(1年:藤枝東)もこれからの成長が楽しみな選手である。

打撃では、松井(2年:岡山城東)や本多(2年:下関中等)を中心につなぐ野球で得点を重ねた。今春リーグ戦で2部降格を味わい、秋リーグで逆襲を狙う香川大。2部優勝を目指し、チームのレベルアップを図る。


四国学院大学

インカレは悔しい1回戦負けとなった四学大。そんな中、公式戦初登板の河野(2:鳴門)の好救援が光った。また、打者陣は沈黙の5安打にとどまった。しかし、田口(2:鳴門)の堅実な守備や国仲(3:中部商業)の積極的な走塁など収穫も多かった。

スタメンだった4年生も大半が引退し、世代交代だが、誰にでも十分にチャンスがあるため、新しい風が待ち遠しい。


高知大学

春季リーグ戦で1部復帰を果たし、リーグ戦経験のある23年を軸に戦った高知大。

投手は金丸(3:延岡)62失点と好投を見せ活躍した。今試合先発の藤本(3:姫路飾西)やリリーフでサウスポーの安東(2:岡山操山)の大きな戦力となることが期待できる。

打撃面では、リーグ戦経験の豊富かつ今試合2安打を放った森(2:高知追手前)や好守備を見せる浅野(2:高梁)を中心に、チャンスをつくる。強肩の野地(3:安来)や打力のある藤原(2:岡山学芸館)の主力の活躍も見逃せない。守備ではノーエラーを達成したので、共に打撃力を高め、秋季リーグ戦に向けて精進していってほしい。


高知工科大学

今回の四国インカレは、秋季リーグ戦に向けてのアピールの場となった。

投手陣は、リーグ戦でもベンチ入りをしている杉野(2:北須磨)の力強いストレートが光り、5回を1失点に抑えた。

打撃陣は、1回裏に4安打をあげる中で天野翔太(2:城南)の勝負強い打撃が目立った。しかし2回以降は安打を放つことができず、打撃力の向上が課題として見えた。

1回戦敗退というこの悔しさをバネに日々の練習に取り組み、秋季リーグ戦に向けてさらに強化し、優勝へ繋げたい。