2024 新人戦 総括

愛媛大学が優勝を果たし、徳島大学が惜しくも2位という結果で新人戦は終了した。

1位 愛媛大学
今大会4試合中3試合が逆転勝利と最後まで粘り強く戦い、新人戦5年振りの優勝を掴み取った愛媛大。

堤田(1年:賀茂)、中尾(1年:松山東)らの投手陣が劣勢でもピッチングからチームに良い流れを呼び込むと、それに応えるように、リーグでの経験も豊富な山本(1年:松山東)、太田(1年:松山北)に加え、今大会での勝負強いバッティングが目立った伊藤(2年:三次)、濱口(1年:盈進)ら野手陣が勝利を決定づけた。
安定感抜群の投手陣と、1番から9番まで切れ目のない打線で合計37得点をあげた野手陣が上手く噛み合い、全員野球で優勝を果たした。

今秋リーグでは1部で6位に沈んだ悔しさをバネし、また今大会の優勝で得た自信を武器にして戦う愛媛大が、来春以降のリーグで台風の目となることを期待したい。

2位 徳島大学
秋季リーグの悔しさを晴らしたい徳島大学は、初戦から順調に勝ち上がをみせ、見事準優勝を果たした。

投手陣では田中(1年:城北)が初戦で完投し、2失点のピッチングで勝利を呼び寄せた。
野手陣では伴(2年:箕面自由学園)が今大会を通して打率6割越え、西山(1年:柏原)が準決勝で猛打賞、更に鶴井(2年:桃山学院)が決勝で先制ホームランを放つなど打線が爆発した。

上級生が引退し、選手14人と少ない中で挑んだ試合だったが、日頃の練習の成果を発揮することが出来た。この冬を通してチーム全体の底上げを図り、念願の2部リーグ優勝、そして1部リーグに昇格することが出来るのか。目が離せない。

3位 松山大学
1年生で臨んだ松山大は、2回戦で高知大に勝利し、準決勝に進むも徳島大に敗れる結果となった。

投手陣では、3回無失点の好投をみせた秋月(1年:新居浜東)、先田(1年:大三島)などの投手陣が活躍をみせた。
野手陣では、タイブレークでサヨナラ犠牲フライをきめた宮内(1年:済美)、3打数2安打でチームを勢いづけた西村(1年:高知)や出塁率の高い古井(1年:広陵)らが活躍を見せ、チームを勝利に導いた。

1年生だけで挑んだ新人戦は苦しい試合展開となり惜しくも敗れてしまったが、その悔しさをバネに来春以降のリーグ戦での活躍に期待したい。

同率3位 香川大学
1年生主体で臨んだ香川大は、2回戦で四学大に勝利し、準決勝に進むも入替戦で敗れた愛媛大にまたしても敗れる結果となった。

投手陣では、今季初登板ながら先発としての仕事を果たした﨑山(1年:松山北)や野手との二刀流として活躍した高田(1年:武田)、林田(1年:徳島市立)などの1年生投手陣が試合をつくった。
野手陣では、4番として準決勝で先制打を放ち、投手としても活躍した山尾(1年:倉敷天城)、2回戦で先制打を放った神田(1年:東京学館新潟)や代打で貴重な勝ち越し打を放った十河(1年:高松商業)らが活躍を見せ、チームを勝利に導いた。

今秋で上級生が引退し、1・2年生だけの新チーム初陣となった新人戦は、リーグ戦で出場機会が少なかった1年生が主体となり戦い抜いた。今冬でチーム力の底上げを測り、1部で通用するチームとなることを期待したい。

高知工科大学
新人戦三連覇を狙った1戦だったが、初戦敗退と悔しい結果になってしまった。
投手陣では、リーグ戦での登板を経験し、公式戦初先発となった知久馬(1年:倉吉東)だったが、制球に苦しみ、本来の力は発揮できなかった。しかし、公式戦初登板で貴重な経験をした中山(1年:唐津西)、公式戦登板を離れていたが久々の登板で1回無失点に抑えた横尾(2年:加古川西)と、来年へ向けての収穫も得ることができた。
野手陣では、強打の1年生、山﨑(1年:近大福山)、岡村(1年:高知商業)がともに2安打するなど存在感を発揮するも、ランナーを出しながらあと1本が出せない攻撃が続き、一気に畳み掛けることができなかった。

圧倒的戦力で勝ち上がった秋季リーグ戦だったが、新人戦では初戦敗退と悔しい結果になってしまった。浮き彫りになった課題を克服し冬を越え、王者死守のため、来春は現有戦力よりひと回り成長した姿をみせたい。

聖カタリナ大学
2024年シーズン通して創部初のAクラス入りと、最高成績で終えた聖カ大は初戦敗退となった。

リーグ戦を経験した式地(1年:岡豊)、淺井(1年:川之石)、初登板となった宮岡(1年:内子)の3名だったが、序盤からリズムが作れずに課題の残る登板となった。
野手では、経験豊富な玉井(2年:今治東中等教育)、井上(1年:岡豊)がそれぞれ2安打の活躍でチャンスは作れていたが、打線が繋がらず逆転には至らなかった。

1.2年生にとって、多くの課題が見えた新人戦となった。この悔しさをバネに、春リーグでは若い戦力がレギュラー争いに加わり、よりパワーアップした状態で優勝を掴み取りたい。

四国学院大学
去年よりも良い成績で終わりたいと挑んだ新人戦だったが、2回戦敗退という結果で終わった。

投手陣では、今季初登板となった宗(1年:沖学園)と仲村(1年:久米島)だったが、序盤に得点を奪われ苦しい立ち上がりとなった。リーグ戦経験者の川上蓮(2年:成立学園)が試合を立て直そうとするが香大打線に打ち込まれ悔しい結果となった。
野手陣では、山﨑(2年:周防大島)が2塁打を放つ活躍やリーグ戦では代打で登場した上所(1年:四学大香川西)が2本の安打を記録するも、打線が続かず点数を奪うことができなかった。

試合には敗戦したが、今まで出場機会に恵まれて居なかった選手が躍動しチームを活性化させた。

高知大学
自分たちで勝利を掴み、上位に食い込みたかった新人戦は去年と同じく2回戦敗退を喫した。

投手陣は、5回無失点の好投でリズムを作った富永(1年:宇和)や中継ぎで登板し安定の投球をみせた安樂(2年:石山)、変化球を巧みに操り相手打者を翻弄した佐々木(2年:高松西)、際どいコースをつきながら打ち取る投球をみせた澤村(2年:高田商業)らがチームを引っ張った。
野手陣では、安定した守りの門脇(2年:松江北)、長打でチームを勢いづけた小川(1年:海田)や5打数3安打でタイムリーをも放った安次富(1年:高鍋)が活躍をみせ、苦しい展開も戦い抜いた。

勝ちきれなかった悔しさがこの冬のモチベーションとなり、春季リーグ戦では自分たちで勝利を掴み、上位争いに加わるようなチームとなっていることに期待したい。

鳴門教育大学
秋季リーグの悔しさを晴らしたい鳴門教育大学は、初戦で愛媛大学に敗れる結果となった。

投手陣では、粘り強いピッチングを見せた増田(1年:富士)、野手との二刀流でチームを鼓舞した団上(2年:大手前高松)が活躍した。
野手陣では、全打席出塁と存在感を見せた阪口(1年:日本航空)、勝負強いバッティングで打点をあげた奥(2年:早稲田佐賀)が活躍したが逆転には至らなかった。

1.2年生にとって、悔しい結果となった新人戦だが、この悔しさをバネに春季リーグでは下の学年からの底上げでチーム力を向上させ、目標である2部リーグ優勝、そして1部リーグ昇格を達成したい。